経済産業省が令和3年2月に公表した資料によると、日本の医療機器市場規模は平成16年以降、2兆円を超える規模になっています。新興国の国際需要が高まっていることで、グローバル市場において拡大が続いているのです。政府も「医工連携イノベーション推進事業」を進めており、ものづくり企業やベンチャー企業が医療機関などと連携して行う医療機器開発や事業化をサポートしています。

医療機器開発に医療機器メーカー以外の異業種が参入していることも、医療機器市場が活性化している理由の1つです。例えば、家電メーカーのソニー株式会社が高性能の内視鏡を開発したり、キヤノンメディカルシステムズ株式会社が国立がん研究センターと連携して画像診断機器などの開発を行っています。

また、医療業界では医師が不足していることから、効率的な医療の提供のためにIT化も進んでいるのです。例えば、電子カルテや地域医療情報システムなどが挙げられます。

地域医療情報システム化が進めば、異なる地域の医療機関の間でも患者データの共有が可能になるでしょう。その結果、患者が適切な治療を受けられるようになります。医療過疎地域の患者が医療を受けられる、遠隔医療の実現にもエンジニアの力が必要です。

こうした状況から、医療機器開発や医療システム開発に携わることができるエンジニアの需要が増々高くなるでしょう。フリーエンジニアなら、日本医療情報学会の講習を受けたり、テキストを購入して学んだり、医療情報技師能力検定試験を受けたりすると医療機器開発の現場で働けるチャンスが増えるはずです。